本来、家庭や家族は子供にとって温かく安全な場所であるべき。
しかし現実にはそうでないこともあります。そういった安全でない家族は「機能不全家族」と呼ばれています。
親が嗜癖や病気などの問題を抱えていて、子供のことは念頭になかったり、親同士や親子の間に暴力や暴言、性的虐待があったりして安心でも安全でもない家族のこと。
アメリカのセラピストであるジャネット・ウォイティッツが著書『アダルト・チルドレン』の中で述べている「機能不全家族」と「機能している家族」の特徴は以下の通りです。
下記は原文を簡単にしたものになります。
【機能不全家族】
・変化に抵抗する
・家族は分断され、統一性がない
・暗い雰囲気でほとんど笑いがない
・家族から離れることが許されていない
・非合理的なルールが強く維持されている
・家族のなかに他人が入り込むことに抵抗がある
・家族間の嫌なことや葛藤などは否定されて無視される
・家族同士のプライバシーがない(個人間の境界があいまい)
・家族もすでに分かっているけれど、公にできない秘密がある(性的虐待など)
・子どもを守るという親の役割が放棄され、子どもが親のケアをすることがある
【機能している家族】
・常に変化し続ける
・家族に一体感がある
・家族に他人が入ることを許容する
・ユーモアのセンスが共有され、親にも子にも笑いがみられる
・家族間の葛藤はあって当然とされていて、そのたびに解決が試みられる
・家族それぞれのプライバシーが尊重され、自己という感覚を発達させている
・家族それぞれが家族であるとの所属感覚を持つが、家族から去ることも自由である
・親子それぞれの基本的なルールはあるが、柔軟に対応しながら家族を運営している
・親としての役割が機能し、子どもは親の役割を受け入れる。役割分担が明確で迷いがない
機能不全家族の特徴
子どもが身体的・精神的にダメージと受け取る可能性のある事象。
これらの事象に対して強烈なトラウマがあったり、強いストレスを日常的に感じていたり、そのようなことがあれば自身の家族が機能不全家族である可能性が高いと言える。
ですが、これらの事象が家庭内にあるからといって、必ずしも機能不全家族であることは断定できません。