こんにちは。毒親育ち の ぺーたー(@datudokuoya)です。
先日のクローズアップ現代というTV番組で
「虐待後」を生きる~癒えない“心の傷“~ 放送されていました。(2020年2月26日)
今回の放送をみて色々と思うことがあったので、感想を書いておきます。
虐待の通告件数(2019年)
警視庁によると、2019年は9万7千人。過去最悪を更新しました。
通告されるレベルの件数が約10万件あるというのは恐ろしいですね。
幼少期の虐待を受けていたユウスケさん(21歳)
現在は虐待されたことを全く覚えていないそうです。虐待による強い心理的ストレスで、記憶が失われてしまったとのこと。
高校卒業後に就職したものの、人間関係がうまく築けず会社を辞めざるを得なかった。現在は生活保護。
今の暮らしから抜け出したいと考えているが、自信が持てないそうです。
「将来への不安。結局どうしたら良いかわからなくて、何もしないみたいな状況が続いちゃって。不安感は拭い去れない」
とのことでした。
何をどこまで覚えていないのかなどの説明は、ありませんでした。
覚えていなくても社会生活に支障をきたしているところが、傷の深さを物語っています。
サトルさん
会社で上司に叱責されたことをきっかけに、フラッシュバックで失神した経験をもつ。
「こういうもの(虐待)を抱えていますって誰かに打ち明けたとき、だいたい返ってくる言葉って、もう決まっている。『それ過去のことじゃん』」
毒親育ちのことを誰かに話しても、こんな返答がくることは珍しくありません。私もそういう経験をしたことがあります。
たしかに過去のことだけれど、その経験が、ふとした瞬間にフラッシュバックしてしまうこともある。
「過去のことなど気にするな」という一言では片付けられない問題もあります。
ミユキさん(17歳)
施設で生活をしながら不特定多数の男性と不適切な関係を繰り返している。
最近になって妊娠が発覚し、中絶手術を行った。
施設長から何度も説得されていたが、行動を改められていない。
施設長 串間範一さん
「帰り、待ってるんだよ。心配してるんだよって。メッセージをいっぱい送るけど、(本人は)ピンと来んわけですよね。心配しているとか、待っている人がいるっていう経験をしていないからですよね」
「親とうまくいかなかった。愛してほしかった。抱きしめてほしいというのはあるんだと思いますね。ギュっとしてもらえていない子たちって、満足するんじゃないですか。一瞬だったとしても」
「ちっちゃいころに無条件で愛着を感じられた時代というのが空白になっているからですね。うちに来て1年や2年で、それを癒しきれるかっていうか、愛着の再体験ができるかというと、なかなか難しいですよね。17歳やったら、17年かかるのかなと思いますね」
愛してほしかった時代に愛情をもらうことができなかった。
だから不適切な関係だと分かっていても、心のスキマを埋めようとして行動をしてしまう。
幼少期から強烈な虐待を受けてきた橋本隆生さん
「今後、親にたたかれていそうな子どもや問題行動を起こす子どもと接することがあったら、まずは精いっぱいの笑顔で、優しい言葉をかけてほしいと思います。私があのときに飢えていたのは、すべての感情を受けとめて、優しい言葉をかけてくれる大人の存在を求めていたんだなと、今となって思います」
まとめ
虐待による傷は、それが無くなった後も強烈に残り続ける。これは、身体的な傷よりも深刻なものになりうると改めて実感しました。
私も殴られたりベランダに締め出されたりしたことがありますが、番組で紹介されていた方ほどではありません。
そんな私でも、怒鳴られたり暴力的な行動をされると恐怖を感じて萎縮してしまいます。強烈な虐待をされていた方の苦しみは計り知れません。
今回の放送を見て一番感じたことは、「なるほどな」ということでした。
特に施設長の言葉が印象的で、愛された経験がないから、間違っていると分かっていてもそれを求めてしまう。
親に愛されたいがために頑張り過ぎたり、異常に尽くしてしまったり。
すべての根本は、子供にとって当たり前の感情が原因になっているのかもしれませんね。
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施設での生活をしながら社会復帰をサポートしてもらえるそうですが、虐待が終わっても心に受けた大きな傷は消えません。
残ってしまった重大な傷に関しては、すべてが解決できるとは言えないかもしれませんね。
毒親特集ではありませんでしたが、とても心に残る放送でした。
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